最低賃金セミナー講師のお話
みなさん、こんにちは。8月最後の日曜日となりました。今年の8月は東京オリンピック後、雨続きの毎日で、気持ちが中々前を向かず、持ち前の行動力を発揮することが難しかったです。でも、こういう年もあるのでしょうね。やはりお日様の力は絶大です。
そういう8月のさなか、先週セミナー講師を一本やらせていただきました。下関市海峡メッセで行われたとある公益財団法人のセミナーに、「最低賃金と助成金の活用」のテーマで小一時間、お話をさせていただきました。
わたしたちの住む山口県では、現在地域別最低賃金額が829円となっています。それが今年10月からは、28円アップの857円となる模様です。
ご準備した資料に、直近5年間の山口県の最低賃金額の推移を掲載したわけですが、
平成29年度 777円(対前年度上昇額 24円)
平成30年度 802円(対前年度上昇額 25円)
令和元年度 829円(対前年度上昇額 27円)
令和2年度 829円(対前年度上昇額 0円)
令和3年度 857円(対前年度上昇額 28円)
となっています。昨年度はコロナの影響もあり、据え置かれたわけですが、毎年25円前後上昇していることがわかります。
この最低賃金、基本給のみで829円以上(現在)と考えがちです。今回のお話で、業務に直結する手当も算入することが可能だということをお伝えしました。
例えば、職務手当だったり、精勤手当だったり。月額固定給であれば、時給換算に計算し直して、1時間当たりの金額を基本額の時給にプラスして、829円以上であれば最低賃金はクリアとなります。
ただし、精勤手当の場合、出勤状況により金額の変動を取られる場合は、月額固定給とはみなされません。よって基本額の時給にプラスすることができませんので、注意が必要です。
そして、①結婚手当、②賞与、③時間外割増賃金、④休日割増賃金、⑤深夜割増賃金、⑥精皆勤手当、⑦通勤手当、⑧家族手当、については、もともと基本額の時給にプラスすることはできません。
そして、最低賃金法には罰則の適用があり、50万円以下の罰金と定められています。遵守しない事業主さんは現在ほとんどいないとは思いますが、このセミナーでもそこはしっかりとお伝えしました。
また、最低賃金額が上がるということは当然人件費も上がります。現状の営業利益を確保しようとするならば、売上げを今以上に上げる営業努力をしていくか、また必要経費の削減をしないと、現状の営業利益が減少することになります。
わたしが懸念することは、特に中小企業の事業所で、従業員の解雇又は雇止めが増えるのではないかということ。最低賃金額が上がったのはいいのですが、働く場所が無くなった、ってことになれば本末転倒になります。
来年度以降もどこまで上がり続けるのでしょうか。お話を進める中で、そんな思いを抱きながらの1時間でした。
ご参加のみなさまが少しでも自社のために役立つ情報として、わたしのお話を聞いてくださったならば幸せます。