保育士等の処遇改善等加算Ⅱ


 毎日暑いですね。このDOKIDOKIときどき日記をお楽しみの皆さん、元気でお過ごしでしょうか。ここ下関も暑いです。これから全国各地で花火大会など楽しいイベントもありますので、熱中症対策をして楽しい夏にしていきましょう。

 

    では今回は、社会保険労務士らしく本業のお話です。「保育士等の処遇改善等加算Ⅱ」。文部科学省と厚生労働省の担当課が連名で、各都道府県の担当部局に通達を出したのが、今年の3月7日です。この「処遇改善等加算Ⅱ」とは、要約すると保育園等内に中間管理職のポストを新設し、その新たなポストに就いたものが都道府県の指定する研修を受け終了することを条件に、保育士等の賃金アップを図るというものです。

 

 ただし、現状は制度が先走りしており、保育園等の現場は対応が追いついていないのではないでしょうか。この「処遇改善等加算Ⅱ」について、社会保険労務士の目で見てみると、問題点が二つ見えてきます。

 

 一つは、新設ポストに誰を指名するのか。誰もが納得する人選であれば問題はないのでしょうが、そうでなければ…。今回は賃金アップが目的のため、それが原因でひずみが生じる可能性もあろうかと思います。経営者の皆様は保育士の皆様全員と納得のいくお話し会いも必要になってくるでしょう。保育士同士のチームワークを壊さないためにも。そしてその結果、離職者を出さないためにも。

 

 もう一つは、給与体系についてです。旧態依然の賃金体系を求人募集や実際に採用した方々にも使用しているのではないかということです。今回「処遇改善等加算Ⅱ」を導入するのであれば、賃金体系を新たにつくり、職務内容や賃金体系等を記載した給与規程等を改正する必要が出てきます。制度を導入するとそれに応じて色々と対応していかなくてはならないことは、ある意味手のかかることではあります。でも、現場で日々奮闘しておられる保育士さんにとっていいお話であれば、よい人材確保の観点からも、経営者の皆様は即行動に移すことです。

 

 今回は、「保育士等の処遇改善等加算Ⅱ」のお話でした。わたしたち社会保険労務士でお役に立つことがあれば、いつでも喜んでお手伝いさせていただきます。